生活習慣病|兵庫県三田の内科・外科・消化器内科なら澤外科|糖尿病 高血圧

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生活習慣病

生活習慣病とは

偏食・過食、慢性的な運動不足、酒やタバコなど嗜好品の過剰摂取など、日頃の不摂生や不規則な生活習慣やストレスなどによる環境要因が主な原因となって引き起こされる慢性疾患のことを総称して生活習慣病と言います。代表的な生活習慣病には、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)など、これらの病気にこれまで縁がなかったという方も一度は耳にしたことのある病気かと思います。

生活習慣病の多くは、発症初期は自覚症状が現れないため、病状を進行させやすく、放置し続けると生命にも影響しかねない病気を発症させることからサイレントキラーと呼ばれることもあります。ただ定期的に健康診断などを受診しておくと血液検査などから、これら生活習慣病が疑われる、もしくはその予備軍であるといったことを医師から指摘されることがあります。このような場合は、症状が出ない場合でも医療機関を受診するようにしてください。

主な生活習慣病

糖尿病

血液中にある糖分(ブドウ糖)の濃度のことを血糖値とよび、通常は80〜140mg/dLぐらいの範囲で調節されています。糖尿病とは、この血糖値が正常に保てず高血糖状態をきたす病気です。血糖値というのは高すぎても低すぎても身体に異常をきたすのですが、そのバランスを調節しているのが膵臓で生成されるインスリンというホルモンです。このインスリンが分泌されることで、ブドウ糖は細胞内へ取り込まれ、エネルギーとして利用されるようになるのですが、何らかの原因でインスリンが働かなくなると、ブドウ糖は血液内でダブつくようになり、血糖値は多くは高く維持された状態のままになります。これが糖尿病の発症メカニズムです。血糖が異常に高いと、尿が多くなる(多尿)、喉が異常に渇く(口渇)、体がだるくなる(倦怠感)などの症状が現れますが、初期の場合は症状を自覚されないことがほとんどです。

診断基準について

糖尿病が疑われる場合は血液検査を行いますが、その診断基準は以下の通りです。

  • 早朝空腹時血糖値が126mg/dL以上、もしくは75gOGTTの2時間値が200mg/dL以上か、随時血糖値が200mg/dL以上の場合
  • HbA1c値が6.5%以上

(75gOGTT:ブドウ糖を内服したあと1時間、2時間後に血糖を測定する検査。)

上記表内の2つの項目とも当てはまる場合は糖尿病と診断されます。どちらか一方のみ当てはまる場合は、再検査を行い同様の結果だった場合は糖尿病と診断されます。

1型糖尿病と2型糖尿病

糖尿病は、インスリンの分泌する量が少ない、あるいは量が充分でも効果が伴っていない場合に血糖値が高くなって引き起こされるわけですが、その原因は主に2つあると言われています。

ひとつは膵臓のランゲルハンス島β細胞(インスリンが産生される場所)が自己免疫などにより破壊、それによりインスリンの分泌が急激になくなるパターンで、これを1型糖尿病と言います。もうひとつは、不規則・不摂生な生活習慣やストレス等によりインスリンの分泌量が少なくなってしまうか、あるいはインスリンの効果が悪くなってしまう2型糖尿病で、こちらは全糖尿病患者の95%を占めると言われています。そのほかには、他の病気やステロイドなどの薬剤が原因で発症する二次性糖尿病、妊娠時は高血糖な状態になることから発症しやすくなる妊娠糖尿病もあります。

糖尿病の怖いところは、合併症※を来たして命にかかわってくる点にあります。1つ目は急性合併症としての糖尿病性昏睡です。著明な高血糖のため、意識障害が起こり緊急の処置が必要です。2つ目はじんわりときいてくる慢性合併症で、血糖値の高い状態が続いて血管の内皮が損傷し、全身の動脈硬化の進行などが起きるようになります。自覚症状が出にくいこともあるので症状を進行させやすく、放置すれば細小血管や神経も障害を受けて合併症(糖尿病三大合併症の糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害 など)を発症するようになります。このほか大血管で障害が起きると脳梗塞、狭心症、心筋梗塞を起こすこともあるので要注意です。糖尿病では、これら合併症を発症させないことが大切です。そのためには常に血糖値をコントロールしていくことが不可欠なのです。

合併症:ある病気が元になって起こる、別の病気や症状

高血圧

血圧とは、心臓から血管に血液を送り出す時にかかる圧力のことで、その際はポンプのように心臓は伸縮しています。この血圧の数値が慢性的に高い状態にあることを高血圧と言います。なお、血圧を測定するには、収縮期血圧(最高血圧:心臓が収縮して血液を送り出した際の血圧)と拡張期血圧(最低血圧:心臓が拡張して血液が心臓内に戻ってきた際の血圧。最低血圧とも呼ばれる)を測ります。日本高血圧学会では、外来時測定で収縮期血圧が140mmHg以上で、拡張期血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。どちらか一方のみが上回っている場合でも高血圧と診断されます。

本態性高血圧と二次性高血圧

高血圧を発症させる要因は、主に2つあるとされています。ひとつは原因が特定できない本態性高血圧で、もうひとつは他の病気が原因で発症する二次性高血圧です。ちなみに全高血圧患者様の9割以上の方が本態性高血圧とされています。
なお本態性につきましては、原因は不特定とされていますが、現在では生活の乱れ(塩分の過剰摂取、過食、肥満、運動不足、飲酒・喫煙 など)や環境的要因(ストレスなど)、遺伝的な体質などが発症要因ではないかと考えられています。一方の二次性高血圧は、腎機能低下や睡眠時無呼吸症候群、薬剤による副作用などが原因と言われています。

高血圧と指摘を受けたら一度ご受診を

高血圧の状態が長く続くようになると、常に強い圧力をかけて心臓から血管へ血液を送らなければならなくなるので、血管はその圧力に耐えられるべく血管壁を厚くするようにします。これが血管の柔軟性を失わせ、血管を硬直させるようになり、やがて動脈硬化を招くのです。さらに症状が進むと様々な合併症(脳出血、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、腎不全 など)を引き起こすようになります。なお、この間は高血圧による症状というのは現れません(人によっては頭痛や肩こり、倦怠感、めまいなどが現れることがあります)が、健康診断などで血圧測定をすることで気づくことが多いです。血圧の数値が高いとの指摘を受けたら、一度医療機関をご受診ください。

脂質異常症

脂質異常症(高脂血症)とは

血液中の脂質、いわゆる血中脂質(LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪 など)の数値(濃度)が慢性的に高い状態を脂質異常症と言います。以前は、高脂血症と呼ばれていたのですが、HDL(善玉)コレステロールが一定の基準より少ない状態も異常であるということが判明してからは、現在の疾患名となりました。

血液中に必要以上の脂質が含まれるようになると、体にとって必要な存在であるコレステロール(細胞膜やホルモンなどを作成する材料)は、血管内で蓄積されるようになり、血液はドロドロになるほか、血流も悪くなって、動脈硬化や血栓症を発症させるリスクが高まります。さらに症状を進行させると合併症を発症するようになり、血栓が脳の近くで起きるようであれば脳梗塞、心臓に近ければ狭心症や心筋梗塞などが引き起こされます。

このような脂質異常症の発症原因については、不摂生な生活習慣(偏食・過食、運動不足、肥満)、遺伝的要因、糖尿病など他の病気や服用している薬の影響などが考えられています。

なお、脂質異常症も他の生活習慣病と同様に初期症状は乏しく、定期的に行っている健康診断の血液検査で血中の脂質の値が高いとか、動脈硬化の進行度をチェックする検査で気づくことが多いです。ちなみに脂質異常症と診断される具体的な数値は以下の通りです。

  • LDLコレステロール値≧140mg/dL
  • 中性脂肪≧150mg/dL
  • HDLコレステロール値<40mg/dL